【倒立振子part15】振子系のパラメータ同定

前回で本体の製作が完了したので振子系のパラメータ同定を行う

パラメータ同定

倒立振子part5で振子系でのパラメータ同定方法の導出を行った。
marurunru.hatenablog.com
この方法を元に自由振子系での測定しパラメータ同定を行う。

振子実験

実験方法としては下記の様な自由振子になるようなフレームを製作した。

適当な角度まで振り上げて止まるまで振動させたその時の角度[rad]を測定する。
測定結果とその時のピークを抽出した結果は下記の様になった。

同定結果

振動の最後のほうは実験装置の粘性摩擦抵抗の影響が大きくなってしまうため、振動初期のピークデータを使用する。
振動周期T\left(=T_1=T_2=・・・\right)と減衰率\lambda\left(=\frac{A_2}{A_1}=\frac{A_3}{A_2}=・・・\right)は一定になるという特性があるためピーク時データを使用して平均化した結果
T=0.607348 , \lambda=0.9207327
と算出できた。
よって、上記を使用すると

\begin{eqnarray}
\left\{\begin{array}{l}
\displaystyle{\xi_2=-\frac{1}{T}\log_e\lambda=0.1359771}\\
\displaystyle{\omega_{n2}=\sqrt{\left(\frac{2\pi}{T}\right)^2+\xi_2^2}=10.346160}\\
\displaystyle{\zeta_2=\frac{\xi_2}{\omega_{n2}}=0.0131428}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

と計算できる。
算出したパラメータを元にシュミレーションと実験結果の比較を行うと、大体一致しているため同定できていると判断する。

上記を元に物性値を導出する。

\begin{eqnarray}
\left\{\begin{array}{l}
\displaystyle{\left(\frac{1}{4}m_r{lr}^2+\frac{1}{4}mp{lp}^2+J_r+J_p\right)=\frac{(m_rl_r+m_pl_p)g}{\omega_{n2}^2}=0.0045591}\\
\displaystyle{\mu_p=2\zeta_2\omega_{n2}\left(\frac{1}{4}m_r{lr}^2+\frac{1}{4}mp{lp}^2+J_r+J_p\right)=0.0012399}\\
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

次回

今まで求めた物性値を元に状態空間モデルについて評価する。