【倒立振子part9】ブラシレスDCモータのパラメータ同定part1

モータの回転と角度、角速度の測定ができるようになったのでパラメータ同定を行う。
使用したモータはID-549XWである。どうやらマブチモータが複写機複合機(MFP)用のステッピングモーターを省電力化目的の置き換えで製作されたモータっぽいが詳細の情報が見当たらないのでAliExpressのサイトを参考にする。
https://ja.aliexpress.com/item/4000995486260.html

モータ定数と抵抗値

今回の方法は我流でやっているので間違っている可能性があるが、何もしないわけにはいかないのでこのまま進める。
前回のブラシ付きDCモータの時は回転させるのに回路を通さずに直接電源に接続していたたが今回は回路が内蔵されているのでその分電圧や電流、回転方法が変わってしまう。

逆起電力定数

無負荷回転状態での回転数と電圧の比例関係式より導出する。
duty比を0%(フル電圧印可)状態で測定試験を実施した結果を下記に示す。

近似式より傾きが求まるので逆起電力定数は以下より求まる。
\displaystyle{k_b=\frac{1}{27.627}=0.0362{V\cdot{s}/rad}}

トルク定数

前回は下記の様な治具を使用して重りを変化させながら制動トルクと電流を測定して導出したが、今回も同様なことをしようとした際に停止状態から治具が平行になるようにしようとしても回転が停止してしまい上手く測定できなかった。

今回は測定できなそうなので、誤差が発生するかもしれないが逆起電力定数=トルク定数として仮定した。

k_t=k_b=0.0362{N\cdot{m}/A}

モータ抵抗

モータ抵抗はモータの電気的特性式\displaystyle{R=\frac{V_m-k_b\cdot\omega}{I_m}}となるため、ある負荷点での電流値が分かれば導出できる。
ここで使用したモータの定格負荷が出力10W、トルク0.0385Nmと記載されている。

前項でトルク定数が求まったため、定格負荷点での電流値はT=k_t\cdot{I}から導出できる。
以上よりモータ抵抗は

\displaystyle{R=\frac{V_m-k_b\cdot\omega}{I_m}R=\frac{V_m-k_b\cdot\omega}{I_m}=\frac{V_m-k_b\cdot\omega}{\frac{T}{k_t}}=\frac{24-0.0362\cdot259.74}{\frac{0.0385}{0.0362}}=13.72{Ω}}

次回

モータのステップ応答からモータの伝達関数のシュミレーションと実験結果よりモータの粘性抵抗と慣性モーメントを求めていく。