【倒立振子part11】慣性ロータ系のパラメータ同定

前回DCモータのパラメータ同定を行い未知パラメータの導出を行った。
今回は慣性ロータ系のパラメータ同定を行う。
marurunru.hatenablog.com

導出方法

DCモータのパラメータ同定を求めたときと同様の方法で求めていく。
慣性ロータ系のモデルは【倒立振子part5】で導出した。
marurunru.hatenablog.com
運動モデルは
(J_r+J_m)\dot{\omega_r}+(\mu_r+\mu_m+\frac{k_tk_e}{R})\omega_r=\frac{k_t}{R}v_a
慣性ロータの数式モデルを下記に変更
\dot{\omega_r(t)}+a\omega_r(t)=bv_a(t)
ただし
\displaystyle{a=\frac{\mu_r+\mu_m+\frac{k_tk_e}{R}}{J_r+J_m}} , \displaystyle{b=\frac{\frac{k_t}{R}}{J_r+J_m}}
とする。

シュミレーション結果

前回と同様に行った結果
a=16.876924 , b=453.11924
シュミレーションの応答値と実験値の応答値の比較は下図の通りであり、ほぼ同等であり最適値として問題ないと判断する。

また今回の倒立振子状態方程式では粘性摩擦抵抗\mu_rは直接的に必要ではなく\mu_r+\mu_m+\frac{k_tk_e}{R}が求まれば計算できる。
以上より未知パラメータは
\displaystyle{J_r=\frac{\frac{k_t}{R}}{b}-J_m}=4.9743\times10^{-6} [kg\cdot{m}^2]
\mu_r+\mu_m+\frac{k_tk_e}{R}=a\cdot(J_r+J_m)=9.8273\times10^{-5} [-]

次回

振子系のパラメータ同定を行うためにM5Atom Matrix内蔵のジャイロセンサを使って角度の導出を行う。