【倒立振子part3】DCモータのモデル作成

前回慣性ロータを使用したモデルを作成した。

marurunru.hatenablog.com

 

DCモータのモデル化

今回はそれに加えてDCモータのモデルを作成して、

トルクを電圧を使用した式に変形する。(実際に制御できるのは電圧のため)

 

まずDCモータは下記のような電気的特性と機械的特性を兼ね備えている。

電気的特性                                                               機械的特性

電気的特性と機械的特性の基本式は

v_a(t)=L\frac{di_a(t)}{dt}+Ri_a(t)+e_b(t) , eb(t)=k_b\dot\theta_m(t)...③

J_m\ddot\theta_r=\tau_m(t)-\tau_L(t)-\mu_m\dot\theta_r(t) , \tau_m(t)=k_ti_a(t)...④

この式のパラメータは以下の通りである。

v_a(t):電機子電圧     i_a(t):電機子電流

R:電機子抵抗       L:電機子インダクタンス

e_b(t):逆起電力        k_b:逆起電力定数

\tau_m(t):発生トルク                 \tau_L:負荷トルク

J_m:モータの慣性モーメント

\mu_m:モータの粘性摩擦抵抗

k_t:トルク定数

また電気的反応は機械的反応に対して速度が速いためL\frac{di_a(t)}{dt}\approx0と近似する。

このとき、上記の式③と式④を一つにまとめると、

J_m\ddot\theta_r(t)=-\bar{\mu}_m\dot\theta_r(t)+\frac{k_t}{R}v_a(t)-\tau_L(t) , \bar{\mu}_m=\mu_m+\frac{k_tk_e}{R}

負荷トルクについての式変更をすると、

\tau_L(t)=-J_m\ddot\theta_r(t)-\bar{\mu}_m\dot\theta_r(t)+\frac{k_t}{R}v_a(t) , \bar{\mu}_m=\mu_m+\frac{k_tk_e}{R}...⑤

この負荷トルクとは前回のブログにて導出したロータの発生トルク\tau_\omegaのことである。

 

次に電機子電圧v_aについて考える。

実際にモータを速度制御するにあたり観測できるパラメータはエンコーダから得られるモータの角速度のみである。(速度制御はPWMによって印可電圧を変更させるが電圧は出力はできるが観測はできない)

そのため必要なトルクを制御するためには、電機子電圧をモータの角速度で制御することで可能になる。

つまりトルク制御する=速度制御するということになる。

ここでモータの角速度\dot\theta_r(t)に比例した電圧k_{tm}\dot\theta_r(t)(比例定数k_{tm})と速度指令電圧v(t)を比較し、偏差の大きさに比例した電機子電圧v_a(t)を加えるためにP制御を用いる。

v_a(t)=k_p(v(t)-k_{tm}\dot\theta_r(t)) , k_p:比例ゲイン

実際に組み込む際はこれを使うけど、倒立振子の制御には直接必要ないのでモデルではまだ電機子電圧v_aを使用する。

 

今回はDCモータのモデル化を行ってトルクから電圧の式に変形した!

 

 

次回

実際にモデルを制御するために状態方程式を作成していく。